2008年3月30日日曜日

アンコール・ワットの壁画彫刻

アンコール遺跡群のひとつ、アンコール・ワットは、12世紀に建立された巨大石造寺院です。
寺院は、周りを取り囲む濠と参道、3つの回廊、および中心の5基の塔から成ります。
東西1.4キロメートル、南北1.3キロメートルにおよぶ外周の濠を自分の足で歩いてみると、その壮大さを実感する事ができます。

アンコール・ワットは、古代インドの影響と土着の文化がその基盤をなしているといわれます。
現在では、仏教寺院としての体裁を整えていますが、建立当時は、クメール人(カンボジア人)が信仰していたヒンズー教の寺院だったのです。
インドの影響とヒンズー教の影響の痕跡は、その3つの回廊に掘られた壁画彫刻にみることができます。
3つの回廊では、緻密で豪華絢爛なレリーフに圧倒されます。

第1の回廊には、古代インドの長編叙事詩 マハーバーラタ や ラーマーヤナ などに取材された物語が彫られています。
第2回廊には、ヒンズー教神話の天地創造神話、「乳海攪拌図」があります。
「乳海攪拌図」は、左半分には阿修羅、右半分には神々がいて、ナーガ(大蛇)の胴体で綱引きをしているものです。
足元には、魚やワニがうごめき、頭上にはアプサラ(天女)が踊っています。

綱の中心で指揮をとるのは亀の背にのったヴィシュヌ神です。
そして第2回廊から第3回廊へと向かう中では、内壁のデバダ神が柔和な表情で迎えてくれますが、それは見ほれてしまうほどです。
優雅が踊り、華奢な髪飾り その繊細さは神々しさを放っています。
インド叙事詩やヒンズー教の物語の知識を持った上で見てみるると、実に見ごたえのある壁画彫刻であることが実感できます。

0 件のコメント: